日本にも影響が!?アメリカ合衆国の二大政党とその仕組み

Introduction:

米国の政治制度について

今回の大統領選挙でトランプ氏が当選しました。

トランプ次期大統領に政権が来年1月に就任することにより、日本にも少なからず影響はあるでしょう。

 

今回は日本とは違う米国の意外と知っているようで知らないアメリカの政治制度について解説ししていきたいと思います!

日本と米国は切り離せない程経済も政治もかかわっています。米国という大きな視野から日本について考えてみましょう。

 

 

米国は二大政党

 

 

日本と違い、アメリカは 共和党(Republican Party民主党(Democratic Party という二大政党が存在しています。

ハリス氏 vs. トランプ氏が大統領選で争っていた時に、民主党、共和党…という言葉もニュースや各種メディアにて目にしたのではないでしょうか。ハリス氏は民主党、トランプ氏は共和党です。

そして今回は共和党のトランプ氏が大統領選に当選した形になりました。

この二つの政党民主党、共和党はアメリカの政治の中心にあります。それぞれ異なる政策やイデオロギーを持っています。

これらについて今回は解説していきたいと思います。

共和党

(Republican Party)とは?

【歴史と背景】

 

共和党の設立は1854年 奴隷制度反対運動を背景に結成された政党です。

 

当初はリベラルな進歩主義政党としてスタートしましたが、20世紀半ば以降は保守的な政策が中心となりました。

共和党設立初期は、南北戦争時代に奴隷解放を支持しアメリカ北部の産業界や自由労働者階級を支持基盤として発展しました。

現代は自由市場、小さな政府、保守的な価値観を重視する政党となっています。

トランプ次期大統領は共和党から出馬しています。

 

【共和党の政策の特徴について】

 

共和党は現代では保守的な価値観を重視する政党となっていますが、政策の特徴はどのようなものなのでしょうか?

(経済政策)

 

まず初めに経済政策についてですが、米国の減税や規制緩和を通じて経済成長を促進することや、“小さな政府”を掲げ政府の役割を限定し自由市場にすることを挙げています。

また、経済政策の特徴として福祉支出の削減を推進しています。

 

 

(社会政策)

 

また、社会政策では銃所持の権利を保護する「第二修正案*」を強く支持しています。

※アメリカ合衆国憲法修正第2条(アメリカがっしゅうこくけんぽうしゅうせいだい2じょう、Second Amendment to the United States Constitution)は、1791年12月15日にアメリカの権利章典で採択された[1]、アメリカ人民の武装権について定めるアメリカ合衆国憲法の条項。人民の武器を保持、所持する権利を保護しているものである。

(出典:wikipediaアメリカ合衆国憲法修正第2条

また、社会政策で話題にもなりましたが、人口妊娠中絶反対(プロライフ)を掲げて保守的な家族観を重視しています。これに関してはかなり賛否両輪が出ていますし、女性の選択の権利の一つが奪われてしまうという問題にもなりました。

共和党は宗教的な価値観を政治に反映させる傾向(保守的な価値観)があるため宗教保守派の支持が厚い傾向にあります。

(移民政策)

移民政策においては、国境管理の強化と不法移民対策の徹底を指示しています。

また、難民や移民に対して厳しい入国条件を設ける方針を政策に盛り込んでいます。

(外交政策)

 

アメリカ第一主義(America First)のため強力な国防力の維持とアメリカの利益優先を主張しています。

そのため日本が防衛費用が増加し日本国民の負担が増えるかもしれませんね。

またこの外交政策の特徴としては国際協力よりも国内(アメリカ国内)の利益を優先としています。

 

【共和党の主な支持層について】

主な支持層は口外や地方に住む白人層というイメージです。また、福音派のクリスチャンが中心のいわゆる宗教保守派が大良いです。

また、ビジネスマンでは中小企業の経営者や大企業のビジネスマンです。共和党支持者として大々的に表明したのはイーロン・マスク氏が思い浮かぶのではないでしょうか。

また、銃規制に反対する団体や保守的な文化を支持する層もいます。

 

【支持を表明した著名人たち】

今回トランプ氏を支持した著名人は宇宙開発企業「スペースX」や電気自動車企業「テスラ」の創設者として知られるイーロン・マスク氏です。ドナルド・トランプ氏の暗殺未遂事件が起きたわずか数分後に自身が所有するXで、「トランプ大統領を全面的に支持し、彼の早期回復を願っている」と投稿したことでも話題になりました。その後、マスクはトランプの選挙運動を財政的に支援することも約束していましたね。

その他の著名人ですと、黒人ラッパーでもある50セントやリル・パンプ、リル・ウェインやダベイビーも支持を表明していました。

トランプ氏と言ったら人種差別的発言をすることで有名ですがこれらの著名人が支持を表明していたのは意外でした。

【共和党出身の代表的な歴代大統領】

代表的な大統領と言ったら、エイブラハム・リンカーン、ロナルド・レーガン、ドナルド前大統領(ドナルド次期大統領)が誰もが知っている大統領なのでのではないでしょうか。

 

①エイブラハム・リンカーン

南北戦争時代に奴隷制廃止を推進し、ゲティスバーグ演説(Gettysburg Address)で有名です。

“that government of the people, by the people,
for the people, shall not perish from the ear” の(人民による人民のための人民の政治)フレーズでも有名ですね。

 

②ロナルド・レーガン

冷戦時代に「小さな政府」政策を推進しました。

減税と規制緩和で経済を活性化させました。(レーガノミクス)

 

③ドナルド・ドランプ

アメリカ第一主義を掲げ国内産業の復活を目指しました。移民政策は貿易戦争で物議を醸しだ歳ながらも支持基盤を強化しました。

 

 

 

民主党

(Democratic Party)とは?

民主党の先日の大統領選挙に出馬していたハリス氏は民主党です。

共和党とはどのような違いがあるのでしょうか?

 

(民主党の歴史と背景)

 

民主党の歴史と背景は共和党とはだいぶ異なります。

設立は1828年、アンドリュー・ジャクソン大統領を中心に結成されアメリカで最も歴史のある政党です。

現代と違い設立初期の役割として、集権主義と農民・労働者の利益を支持していました。また、奴隷制度を擁護する立場を取った南部集が支持基盤でした。

これだけでも共和党と大部異なりますね。

初期の民衆党とかなり異なっています。20世紀以降はリベラルで進歩的な政策を掲げる政党として変貌しました。

 

【政策の特徴】

(経済政策)

 

民主党の政策について、経済政策では福祉政策や医療保険制度の充実を重視しています。また、大企業や富裕層への課税強化を通じて格差是正を目指すことを掲げ、それに加えて労働者や低所得者層を支援する政策を推進することを掲げています。

 

(社会政策)

 

社会政策においては、共和党とは対極のLGBTQ+の権利についてや人工妊娠中絶の権利(プロチョイス)を支持しています。

また、気候変動対策や環境保護に積極的な政策方針です。

銃規制についても強化を目指し、公共の安全を重視しています。

 

(移民政策)

 

移民政策においても寛容な移民政策を掲げています。難民や移民の受け入れを推進し、DACA(幼少期に親に連れられてアメリカに入国した不法移民を保護するプログラム)の存続を支持しています。

 

(外交政策)

 

外交政策は、国際協力や多国間主義を重視しています。国際連合やNATOなど国際機関との協力を強化する姿勢。

 

【主な支持層】

 

主なアメリカ国内の支持層は、都市部の住民や高学歴層、また若者や進歩的な価値観を持つ人々が多いです。また少数派だとアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系やアジア系からも支持があります。

また、労働組合や環境保護団体からも支持を得ています。

先日の大統領選で指示を表明した人々はテイラー・スウィフト(若者を中心に絶大な人気を誇り、インスタグラムで約2億8000万人のフォロワーを持っています。​)やビヨンセさんやレディー・ガガもパフォーマンスを行うなど支持を表明していたことでも話題となりました。

【民主党代表的な歴代大統領】​

 

フランクリン・D・ルーズベルト:

日本人なら誰でも一度は聞いたことがあるのでないでしょうか。ニューディール政策で大恐慌からの復興を目指したことでも有名ですが、第二次世界大戦中のリーダーでもあります。

 

ジョン・F・ケネディ:

第35代大統領。

アポロ計画を通じて宇宙開発を推進したことで有名です。また、公民権運動を支援し、アメリカの進歩的な象徴と言ったらケネディ元大統領。

バラク・オバマ:

米国初のアフリカ系アメリカ人大統領で、オバマケア(医療保険改革)を実現しました。

アメリカ二大政党 共和党 民主党 まとめ

項目

共和党

民主党

経済政策

減税、小さな政府、自由市場を重視

福祉拡充、大きな政府、格差是正を目指す

社会政策

保守的(銃所持の権利、中絶反対)

リベラル(銃規制、中絶支持、LGBTQ+の権利)

移民政策

厳格な移民管理

寛容な移民政策

外交政策

一国主義、アメリカの利益を優先

国際協力、多国間主義を重視

支持層

地方住民、白人保守層、宗教保守派

都市部住民、少数派、リベラル層