加害者になってからでは後の祭り!

知らなかったでは済まされない!

セクハラの基礎知識とビジネスマナー

 

現代のビジネスシーンにおいて、職場環境の健全さや従業員の安心感を確保することは、管理職や経営者にとって非常に重要な責務となっています。特に、セクハラ(セクシャルハラスメント)に関する認識と対策は、職場の信頼性やパフォーマンスに直接影響を与えるため、避けては通れないテーマです。「知らなかったでは済まされない!」というのが現実です。自分が気づいたら加害者になっている…ということを避けるために、今回の記事では、実際の判例も交えて、男女ともに社会人の方から管理職以上の男性、または男性経営者を対象に、セクハラの基礎知識と、それを防ぐためのビジネスマナーについて解説します。弊社でも女性が活躍しやすい環境の一つとして取り組んでいることの一つでもあります。

セクハラの定義とは?

ここでのセクシャルハラスメント(セクハラ)の定義は、職場における性的な言動や行動が他者に不快感を与え、その結果、職場環境や労働条件に悪影響を及ぼす行為を指します。また、セクハラと大きな意味だとふわっとした抽象的なイメージでは理解している…具体的なボーダーがイマイチわかりずらいと思っている方も少なくないのではないでしょうか? セクハラにも種類がありますので、そちらも解説していきたいと思います。

セクハラにも種類がある?

一口にセクハラといっても、実は具体的にどんな種類のセクハラがあるのか回答できる方は男女ともに多くはないのではないでしょうか?

セクハラには、大まかに2パターンあるので紹介したいと思います。

①対価型セクハラ: 性的な要求を拒否したために昇進や評価が不利に扱われる、または要求を受け入れることが条件として仕事上の利益を得るといった状況のもの。

②環境型セクハラ: 特定の人に対して繰り返される性的な発言や行動が、職場の雰囲気を悪化させ、従業員の精神的苦痛を引き起こすものです。

セクハラは被害者の感じ方に依存しており、加害者が「冗談だった」と弁解しても、被害者が不快に感じた場合にはセクハラとみなされることがあります。つまり、意図せずとも相手が不快感を抱いた場合には、結果的にセクハラとなり得るため、注意が必要です。また、これらを知っておくだけで、自分自身がセクハラをしているという誤解を与えないように、対人トラブルを避け男性自身が身を守るためにも知っておくだけでトラブルを回避することができます。昨今は実際のセクハラももちろんありますが、SNSの普及に伴いあたかも男性が加害者のように見せられるような形で思わぬところで拡散されて被害にあうパターンもあります。

自分の身は自分自身が一番守ることができますので、加害者にならないこと、またセクハラは男性から女性にするものというイメージがあるかもしれませんが、女性からセクハラにあってしまい、男性自身が被害者になるパターンも見受けられます。思わぬトラブルに巻き込まれないためにもしっかり知識として身に着けておきましょう。現代は女性もより一層活躍する時代でもあります。男女ともにお互いに敬意をもって気持ちよく仕事をするためにもマナーとして教養として身に着けておくことも大事なので無ないでしょうか。

なぜセクハラは重大な問題なのか?

セクハラは職場環境全体に悪影響を及ぼします。個々の従業員が被害を受けることにとどまらず(被害者の心の傷は計り知れません)、組織全体の生産性やモラルが低下する可能性があります。さらに、セクハラに対して適切な対応を怠った場合、企業や管理職、経営者が法的責任を問われるリスクがあり、訴訟に発展するケースも増えています。以下の点が、セクハラ問題を軽視できない理由です:

 

生産性の低下: セクハラが横行する職場では、被害者が働く意欲を失い、最悪の場合には退職を選ぶこともあります。結果として、優秀な人材を失うリスクが高まります。

企業の評判を損なう: セクハラ問題が公にされた場合、企業の評判は大きく傷つき、顧客や取引先からの信頼を失う恐れがあります。

法的リスク: 労働基準法や男女雇用機会均等法に基づき、企業は従業員に対して安全かつ公正な労働環境を提供する義務があります。これを怠ると、法的責任を問われ、高額な賠償金が発生する可能性があります。

判例から学ぶセクハラの深刻さ

実際にセクハラに関する訴訟は年々増加しており、多くの判例が存在します。以下に、いくつかの判例を紹介し、具体的なリスクとその結果を見ていきます。 

ケース1: 上司からの性的な発言が問題視された例 ある企業では、上司が部下に対して頻繁に「もっと女性らしくなれ」といった発言を繰り返していました。この発言は女性従業員に精神的苦痛を与え、最終的に訴訟に発展。裁判所は、この発言が不適切であり、セクハラに該当すると判断しました。

ケース2: 身体的接触によるセクハラ 別の企業では、上司が部下に対して度重なる肩への接触や不適切な発言を行った結果、従業員が精神的に追い詰められ、退職を余儀なくされました。この事例でも、裁判所は上司の行為をセクハラと認定し、企業が賠償責任を負うことになりました。

 

これらの判例からわかるように、セクハラは企業にとって非常に大きなリスクであり、管理職や経営者がその発生を防止するための行動をとる必要があります。

 

※参照:弁護士法人ロア・ユナイテッドhttps://www.loi.gr.jp/law/houmu10-01-03/

 

フセクハラを防ぐためのビジネスマナーや対応策

管理職や経営者として、セクハラを防ぐためには、組織全体での対策が必要です。セクハラに関してのビジネスマナーや具体的な取り組みを導入することで、セクハラのリスクを減らすことができます。

 

①明確なセクハラ対策ポリシーの策定: 組織内でセクハラ防止に関する方針を明確に定め、従業員全員に周知徹底します。ポリシーには、セクハラの定義、具体例、対処方法、報告手順を含めることが重要です。

 

②トレーニングの実施: 全従業員に対して定期的なセクハラ防止トレーニングを行い、セクハラの認識を高めます。管理職は特に、セクハラに関する法的責任を理解し、部下の行動を監督する責任があります。

 

③従業員の声に耳を傾ける: 職場でのコミュニケーションを活性化し、従業員が気軽に相談できる環境を整えます。セクハラの兆候を早期に発見し、迅速に対応することが求められます。

 

異性に対する適切な言動の理解: 職場での軽い冗談や気軽な言動が、時には誤解を招くことがあります。特に異性に対する言動には、注意を払いましょう。たとえ「親しみ」を込めたつもりでも、相手にとっては不快に感じる場合があります。

 

【セクハラが疑われる場合の対応】

万が一、セクハラが発生した場合、迅速かつ適切な対応が求められます。以下の手順を参考に、問題が発生した際の対処法を確認しておきましょう。

 

  • 被害者の声を聞く: まずは被害者の訴えに対して真摯に耳を傾けます。被害者が安心して話せる環境を提供し、適切な対応を約束します。

 

  • 状況の確認と記録: 事実関係をしっかりと確認し、証拠を集めます。証言やメール、メッセージなど、後に必要となる証拠を可能な限り記録します。

 

  • 迅速な対応: セクハラが確認された場合、加害者に対して適切な処分を下します。処分は、口頭注意や減給、解雇など、状況に応じて柔軟に行います。

 

  • 再発防止策の策定: 事件後は、組織全体で再発防止策を講じ、従業員への再教育やトレーニングを行います。

まとめ

セクハラは、現代のビジネス環境において決して軽視できない問題です。男女関係なく、管理職や経営者は、職場の健全な環境を維持するため、セクハラに関する基礎知識を持ち、それを防ぐことの意識を持つことが大切です。社会的地位自体が相手からすると言い出しづらかったり、威圧感を与えることで嫌だという主張ができないパターンもあります。 社会、会社という大きな視点だけではなく、1人の活躍するビジネスパーソン(男性だけではなく女性も含め)として教養としてしっかり身に着けることで社会全体がより良くなっていくのではないでしょうか。